シークレットモード(プライベートブラウジング)が隠す範囲と隠さない範囲
まず、要点
- ダウンロードしたファイルやブックマークは端末に残る
- 勤務先・学校・ISPは閲覧アクティビティを把握できる場合がある
- 訪問先サイトはアクセスを記録でき、Google連携サイトは広告目的で共有することも
このノートの内容
シークレットモードで何が隠れて、何が隠れないのか?
端末内で削除されるもの→端末に残るもの→外部(ネットワーク・サイト)から見える範囲の順に読む。
| 対象 | 役割・違い |
|---|---|
| 端末のローカル記録(隠れる) | 閲覧履歴・Cookie・キャッシュ・フォーム入力はセッション終了時に削除される |
| 端末に残るもの | ダウンロードしたファイル本体やブックマークは終了後も端末に残る |
| ネットワーク管理者・ISP | 勤務先・学校・ISPは閲覧アクティビティを把握できる場合がある |
| 訪問先サイト | サイトは通常どおりアクセスを記録でき、Google連携サイトは広告目的で情報を共有することがある |
ここがポイント:端末上の閲覧記録は消えるが、端末に残るファイルや外部からの可視性は別問題として残る。
前提・位置づけ:本文の「まとめ:何が線引きか」節の内容を表形式に整理したもので、新しい情報は追加していない。
調査結果
問いの整理
シークレットモード(Google Chrome)、プライベートブラウジング(Firefox)、InPrivate(Microsoft Edge)、プライベートブラウズ(Safari)は名称こそ違いますが、いずれも「その場のセッション限りで閲覧記録を残さない」という基本設計は共通しています。本レポートでは(1)端末上で何が記録されなくなるか、(2)端末上でも記録され続けるものは何か、(3)勤務先・学校・ISP・訪問先サイトからはどこまで見えるか、の3点に絞って整理します。
端末上で記録されなくなるもの
シークレットモードのセッションを終えると、Chromeは訪問したサイトの記録やサイトデータを保持しません。Cookieやキャッシュされたサイトデータはセッション中は一時的に使われますが、終了時に削除されます(Google Chrome ヘルプ[1])。
Microsoft Edgeでも、InPrivateウィンドウをすべて閉じると閲覧履歴、ダウンロード履歴、Cookieやその他のサイトデータ、キャッシュされた画像とファイル、パスワード、オートフィルのフォームデータが削除されます(Microsoft Support[2])。
Safariのプライベートブラウズでも、表示したウェブページや自動入力に使われる情報は保存されません(Apple サポート[3])。
端末上でも記録され続けるもの
すべてが消えるわけではありません。シークレット/InPrivateモード中にダウンロードしたファイル本体や、その間に追加したブックマーク(お気に入り)は、モードを終了してもブラウザ・端末に残ります(Google Chrome ヘルプ[1]、Microsoft Support[2])。Safariでもダウンロード項目はダウンロードリストに表示されないだけで、ダウンロード先フォルダには実体が保存されます(Apple サポート[3])。
勤務先ネットワークやISPから見えるかどうか
ここが誤解されやすい部分ですが、Google自身が「学校、勤務先、インターネットサービスプロバイダなどネットワークを管理する組織には、シークレットモードでのアクティビティが知られる可能性がある」と明記しています(Google Chrome ヘルプ[1])。Microsoft Edgeの公式サポートも「同じデバイスを使う他のユーザーには閲覧行動は表示されないが、学校・職場・インターネットサービスプロバイダはこのデータにアクセスできる場合がある」としており(Microsoft Support[2])、2社の公式説明が一致しています。
つまりシークレットモードが対処しているのは「その端末に閲覧記録として保存されるかどうか」であって、通信が経由するネットワークやサーバー側での可視性には基本的に影響しません。会社・学校のネットワーク管理者やISPは、通常のブラウジングと同様にどのサイトへ接続したかなどを把握できる可能性があります。
訪問先サイトからも「知られていない」わけではない
訪問先のウェブサイトは、あなたがシークレットモードで見ていることをそのウェブサイトが直接知る手段は基本的にありませんが、通常のブラウジングと同様にそのアクセス自体は記録できます。さらにGoogleのサービスを利用しているサイトでは、広告目的でそのアクティビティデータがGoogleと共有されることがあるとChromeのヘルプは述べています(Google Chrome ヘルプ[1])。ログインした状態でサイトを閲覧すれば、そのアカウントに閲覧行動が紐づく点もシークレットモードでは変わりません。
まとめ:何が線引きか
- 隠れる(端末のローカル記録): 閲覧履歴、Cookie/サイトデータ、検索・フォーム入力の自動補完候補、キャッシュ、パスワードの自動保存など。ウィンドウを閉じると消える。
- 隠れない(端末に残る): ダウンロードしたファイル本体、追加したブックマーク・お気に入り。
- 隠れない(ネットワーク・サーバー側): 勤務先・学校のネットワーク管理者、ISPによる通信の把握、訪問先サイトによるアクセス記録、ログイン中のアカウントへの紐づけ。
したがって「シークレットモード=匿名になる」という理解は不正確で、正確には「同じ端末・同じブラウザを共有する他の利用者から、自分の閲覧記録を隠すための機能」と捉えるのが実態に近いといえます。
注意事項・未確認事項
- Mozilla Firefoxの公式サポートページ(プライベートブラウジングおよびcommon-myths-about-private-browsingページ)はJavaScriptレンダリング前提の構成のため、今回の取得ツールでは本文を直接確認できなかった。検索結果の要約ではChrome・Edgeと同様の内容(履歴やCookieを保存しない、ダウンロードファイルやブックマークは端末に残る)が示されていたが、一次資料本文での裏付けは今回未完了であり、Firefox固有の仕様がChrome/Edgeと完全に一致するとは断定できない。
- Apple公式ガイド(support.apple.com)では、IPアドレスがISPや訪問先サーバーから見える可能性についての明記は確認できなかった。この点はChrome・Edgeの公式説明(勤務先・学校・ISPが閲覧アクティビティを把握できる可能性)から類推されるが、Safari固有の挙動として一次資料で直接確認できたわけではない。
- シークレットモードの拡張機能の扱い(デフォルトで無効になる場合が多い点)や、ブラウザフィンガープリンティングなど高度な追跡技術による識別可能性については、今回は問いの範囲(記録される/されないの線引きと第三者からの可視性)に絞ったため調査対象外とした。